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INSIGHT #001設立1年目で整えておきたい経理ルール

会社設立直後は、営業やサービスづくりが優先され、経理のルールは後回しになりがちです。
しかし、資料の保管場所や請求書管理、お金の流れを早めに整えておくことで、決算前の確認作業や2年目以降の負担を減らせます。

この記事では、設立1年目の会社が最低限決めておきたい経理ルールを、実務の視点で整理します。

  • 2026.06.24
  • 読了目安:7分
  • 法人設立
  • 経理体制
  • バックオフィス
  • 請求書管理
  • クラウド会計

設立1年目によくある経理の悩み

設立直後は取引件数も少なく、それほど問題を感じないことが多いです。
ところが半年、一年と経過すると、徐々に次のような状況が発生します。

  • 領収書が机や引き出しに散らばっている
  • 通帳が複数あり管理できていない
  • 会社と個人のお金が混ざっている
  • 請求書の控えが見つからない
  • 税金の支払時期がわからない
  • 利益が出ているのかわからない
設立1年目によくある経理の悩み

設立1年目の会社であれば、どれも珍しい話ではありません。
むしろ、多くの会社が一度は通る道だと思います。

ただ、その状態を数年間放置してしまうと、決算や融資のタイミングで一気に負担が表面化します。そのため、設立初年度は会計知識を覚えることよりも、「管理ルールを決めること」の方が重要だったりします。

まず決めたいのは書類の保管場所

経理資料の管理で最初に決めたいのが保管場所です。

請求書や領収書は毎月発生します。最初は少ないため、何となく管理できているように見えますが、数か月分たまると急に探せなくなります。

特に最近は、保存形式がバラバラになりやすい傾向があります。

  • メール添付の請求書
  • PDF請求書
  • 紙の領収書
  • 契約書

おすすめは、会社で利用するクラウドストレージや保存先を一つ決めてしまうことです。

保存先 おすすめ度 管理面の安心度(※) コメント
Google Drive 導入のハードルが低く、ファイル共有もしやすいためおすすめです。無料でも利用できますが、長期的には共有ドライブを使用して運用できると理想的です。
Box・Dropbox 利用料はかかりますが、比較的安全に運用できます。安心してファイルを保管したい場合に向いています。
NAS・社内サーバー クラウド上に極力ファイルを置きたくない場合は、自社サーバーやNASでの保管が安心です。ただし、導入費用やメンテナンスが必要になるため、導入のハードルは高めです。

※サービス自体のセキュリティレベルではなく、保管ファイルの共有しやすさや権限管理を軸にした目安です。

重要なのはツールではなく、「会社の資料はここを見る」というルールを決めることです。

それだけでも、決算時の資料探しがかなり楽になります。

会社用口座と個人のお金を分ける

設立直後によく見かけるのが、「法人口座を作る前に個人口座で支払った」というケースです。

これは設立時にはよくあることなので、問題ありません。

ただ、そのまま何か月も個人口座を使い続けると管理が難しくなります。会計処理の際に、「この支払いは会社なのか、個人利用なのか」といった判別が必要になるためです。

入力自体は可能ですが、半年後や一年後に思い出そうとしても、なかなか記憶は残っていません。結果として、決算前に大量の確認作業が発生します。

そのため、次の支払手段はできるだけ早い段階で分けておくことをおすすめします。

  • 法人口座
  • 会社用クレジットカード
  • 会社用の電子決済
BILLY's 経理ポイント

設立間もない会社からよくいただく相談の一つが、「ファイル管理や経理の運用をどう設計したらよいかわからないので、一緒に見てほしい」というものです。

設立直後は、営業やサービスづくりなども重なり、どうしても忙しくなります。

私たち「BILLY's 経理」では、このようなルールづくりがうまくできていない場合、最初に運用方法を一緒に考えていきます。管理に負担をかけすぎず、それでも必要な資料をきちんと保管・管理できる方法を一緒に整備します。

請求書管理のルールを作る

売上が発生すると、請求書も増えていきます。

しかし設立直後は、発行した請求書の控えが残っていないというケースも少なくありません。

請求書は売上管理だけではなく、「入金確認」「未回収確認」「決算資料」「税務調査対応」などにも利用します。

最低限、次の項目だけでも管理しておくと安心です。

管理項目 内容
発行日 いつ発行したか
請求先 誰に請求したか
金額 請求額
入金予定日 いつ入金される予定か
入金確認 回収済みか

設立直後は、SaaS型の請求管理サービスを利用するとコストがかかるため、まずはスプレッドシートやExcelでも十分です。最初から高度な仕組みを作るより、最低限の項目を継続して管理することを優先します。

月に一度は数字を見る習慣を作る

経理で最も大切なのは、入力ではなく確認です。

設立直後は忙しいため、「通帳残高だけ見ている」という会社も多いです。もちろん、それでも事業は進みます。

ただ、次の数字は定期的に確認する習慣を作った方が良いと思います。

  • 売上が増えているのか
  • 経費が増えているのか
  • 利益が残っているのか

毎月1回、30分程度でも良いので、数字を見る日を作るだけで経営判断はかなり変わります。

特に設立1年目は、売上や経費の傾向を把握する大事な時期でもあります。

税金用のお金を残しておく

設立1年目の社長が驚くポイントの一つが税金です。

売上が伸びて預金残高も増えてくると、「思ったよりお金があるな」と感じることがあります。

しかし、その中には将来支払う税金も含まれています。

  • 法人税
  • 法人住民税
  • 消費税
  • 源泉所得税

設立初年度は税額が読みにくいため、利益が出始めたら税理士や専門家へ相談しながら、資金計画を立てることをおすすめします。

クラウド会計は早めの導入がおすすめ

会計ソフトは後から導入することもできます。

ただ、設立直後は取引件数が少ないため、実は一番導入しやすい時期でもあります。取引数が増えてからでは切替作業も大変になり、すでに慣れている管理方法を変更する必要も出てきます。

過去データや履歴の移行もあるため、できる限り最初に導入した方が後々の負担は軽くなります。

特に銀行口座やクレジットカードとの連携は、設立初年度から運用した方が効果を感じやすい傾向があります。

まとめ

設立1年目の経理は、正しい仕訳を覚えることよりも、後から困らない仕組みを作ることが重要です。

実際に経理代行のご相談を受ける会社でも、「入力ができない」より、「何がどこにあるかわからない」というケースの方が圧倒的に多く見られます。

だからこそ、次の4つだけでも先に決めておくことをおすすめします。

  • 資料の保管場所
  • 会社のお金の流れ
  • 請求書管理
  • 月次確認

設立直後は取引量も少なく、ルールを整えやすい時期です。

会社が大きくなってから見直すよりも、設立1年目のうちに土台を作っておく方が、結果的に経理業務も経営判断もスムーズになっていきます。

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