経理実務ガイド #001設立1年目で整えておきたい経理のあれこれ
会社設立直後は、営業やサービスづくりが優先され、経理のことはは後回しになりがちです。
しかし、資料の保管場所や請求書管理、お金の流れを早めに整えておくことで、1年後に訪れる決算の確認作業や2年目以降の負担を減らせます。
この記事では、設立1年目の会社が最低限決めておきたい経理ルールを、実務の視点で整理します。
- 初回掲載日時: 2026.06.24
- 最終更新日時: 2026.08.26
- 法人設立
- 経理体制
- バックオフィス
- 請求書管理
- クラウド会計
設立1年目によくある経理の悩み
設立直後は取引件数も少なく、それほど問題を感じないことが多いです。
ところが、半年、一年と経過するにつれ、徐々に次のような状況が発生します。
- 領収書が机や引き出しに散らばってきた
- 通帳記入が出来ていない
- 会社と個人のお金が混在している
- 請求書の控えが見つからない
- 税金の支払時期がわからない
- 利益が出ているのかわからない
設立1年目の会社であれば、どれも珍しい話ではありません。
むしろ、多くの会社が一度は通る道だと思います。
ただ、その状態を数年間放置してしまうと、決算や融資のタイミングで一気に問題が表面化します。
そのため、設立初年度は会計知識を覚えることよりも、最低限の「管理ルールを決めること」の方が重要だったりします。
はじめに決めたいのは書類の保管場所
経理資料の管理で最初に決めたいのが保管場所です。
請求書や領収書は毎月発生します。最初は少ないため、何となく管理できているように見えますが、数か月分たまると急に見つからなくなります。
例えば、メール添付の請求書、PDF請求書、紙の領収書や契約書などは、受領したままにしておくと、どうしても内容によって分散しがちです。
時間が経過すると後から、メールを見返したり、財布の中から取り出したりと作業が大変になります。
そうならない為にも都度、「取得して格納する」が習慣化出来るように格納先を決めておくのがおすすめです!
まずは、会社で利用するクラウドストレージや保存先をどこか一つに決めてしまうのがおすすめです。
| 保存先 | おすすめ度 | 管理面の安心度(※) | コメント |
|---|---|---|---|
| Google Drive | ◎ | △ | 導入のハードルが低く、ファイル共有もしやすいためおすすめです。無料でも利用できますが、長期的には共有ドライブを使用して運用できると理想的です。 |
| Box・Dropbox | ◎ | ○ | 利用料はかかりますが、比較的安全に運用できます。安心してファイルを保管したい場合に向いています。 |
| NAS・社内サーバー | △ | ◎ | クラウド上に極力ファイルを置きたくない場合は、自社サーバーやNASでの保管が安心です。ただし、導入費用やメンテナンスが必要になるため、導入のハードルは高めです。 |
※サービス自体のセキュリティレベルではなく、保管ファイルの共有しやすさや権限管理を軸にした目安です。
重要なのはツールではなく、「会社の資料はここを見る」というルールを決めることです。それだけで、決算時の資料探しがかなり楽になります。
会社用口座と個人のお金を分ける
会社を設立した時、最初に資本金を発起人の口座に払い込むため、法人設立後もそのままにしてしまう・・・何てことも。
まず会社設立後は、早々に法人口座を作り、資金移動を済ませておきましょう!
この時、事前にいくらか入金して開設しているケースがあります。
その場合は、資本金額を超えないように個人口座から法人口座へ資金移動をさせましょう。

法人口座開設後は、「この支払いは会社なのか、個人利用なのか」といった判別がしやすいように、財布をしっかりと分けておきましょう。法人の支払いは極力、法人名義の預金、カードを使用していきます。
小規模な会社の場合は、代表者の立替支払が増えることがありますが、この場合も個人のお金と会社のお金が混在しないように管理する工夫が必要です!
あまりに領収書や請求書が溜まってしまうと、半年後や一年後に思い出そうとしても、なかなか記憶は残っていないことが多いです。そうなると、結果として、決算前に大量の確認作業が発生します。
そのため、次の支払手段はできるだけ早い段階で分けておくことをおすすめします!
- BILLY's 経理ポイント
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設立したての会社様や設立から1年以内の会社様からよくご相談いただくのが、「ファイル管理や経理の運用をどう設計したらよいかわからないので、一緒に見てほしい」というものです。
設立直後は、営業やサービスづくりなども重なり、どうしても忙しくなります。
BILLY's 経理では、このようなルールづくりがうまくできていない場合、最初にツールを一緒に考えていきます。請求書を受け取った場合や郵送物についての対応方法、支払毎の受領ルールを一緒に決めて、管理に負担をかけすぎず、それでも必要な資料をきちんと保管・管理できる方法を一緒に整備します。
書類整理や領収書の保管ルールを「どうしたら良いかわからない・・・」「めんどくさい・・・」という方は、お気軽にご相談ください。
最初にやっておくこと①~請求書管理のルールを作る~
売上が発生すると、請求書も徐々に増えていきます。
しかし設立直後は、「発行した請求書の控えが残っていない・・・」「請求台帳のような管理簿も作成していない・・・」というケースも少なくありません。
請求台帳は売上管理だけではなく、「入金確認」「未回収確認」「決算時の確認資料」などにも使用します。
まずは、最低限、次の項目だけでも管理しておくと安心です。
| 管理項目 | 内容 | 具体的な内容 |
|---|---|---|
| 発行日 | いつ発行したか | 20**/7/31 |
| 請求先 | 誰に請求したか | 株式会社ビリーデザイン |
| 金額 | 請求額 | 100,000円 |
| 入金予定日 | いつ入金される予定か | 20**/8/31 |
| 入金確認 | 回収済みか | ✓ |
設立直後は、SaaS型の請求管理サービスを利用するとコストがかかるため、はじめのうちはスプレッドシートやExcelで十分です。最初から高度な仕組みを作るよりも最低限の項目を継続して管理することを優先します。
最初にやっておくこと②~月に一度は数字を見る習慣を作る~
経理で最も大切なのは、入力よりも小まめな確認です。設立直後はどうしても忙しいため、「通帳残高だけ見ている」という会社も多いです。もちろん、それでも事業は進みます。
ただ、下記の数字は定期的に確認する習慣を作った方が良いと思います。
- 月々の売上の推移
- 月々の預金残高の推移
- まだ払っていない請求額
毎月1回、30分程度でも良いので、数字を見る日を作るだけで経営判断はかなり変わります。
特に設立1年目は、売上や経費の傾向を把握する大事な時期でもあります。
- BILLY's 経理ポイント
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記帳代行をご依頼された場合、最近データを軸に入力を進めていきます。そのため、細かな領収書などは都度共有出来なくても、連携されている預金データやカード連携、請求発行の記録などを元に反映できるところを先回りして、進めておくことが出来ます。
BILLY's 経理では、必要に応じて、一旦仮の指標となる数字を月単位でご連絡することも可能です。また、そこから不足している資料の一覧をお伝えするなど柔軟に対応しています!
あとから、「資金が足りない・・・」「予定と違う・・・」とならないように、まずはご相談ください。
最初にやっておくこと③~税金用のお金を残しておく~
設立1年目の社長が驚くポイントの一つが税金です。
売上が伸びて預金残高も増えてくると、「思ったよりお金があるな」と感じることがあります。
しかし、その中には将来支払う税金や給与などから控除して預かった税金なども含まれています。
また、注意が必要なのは赤字の場合でも預かった分を含め、税金の支払は様々なタイミングで発生するということです。どんぶり勘定で行っていると、急な税金支払いに驚くので、常に予定把握が必要です。
- 法人税、地方法人税、法人住民税、法人事業税
- 消費税、地方消費税
- 源泉所得税
- 住民税
- 固定資産税、償却資産税 etc...
設立初年度は税額が読みにくいため、会計入力を並行して行い利益状況や納税額を予定しておくことが重要です。特に利益が出始めたら税理士や専門家へ相談しながら、資金計画を立てることをおすすめします。
最初にやっておくこと④~クラウド会計は早めの導入がおすすめ~
会計ソフトは後から導入することもできますが、設立初期に入れるのが望ましいです。
設立直後は取引件数が少ないため、実は一番導入しやすい時期でもあります。取引数が増えてからでは切替作業も大変になり、すでに慣れている管理方法を変更する必要も出てきます。
過去データや履歴の移行もあるため、できる限りはじめに導入した方が後々の負担は軽くなります。
特に銀行口座やクレジットカードとの連携は、設立初年度から運用した方が便利です。
会計ソフトに付随して、経費精算や請求発行等のサービスとも連携をしていく場合、特に最初の設定が重要になってきますので、初期のうちに登録を終えていると後々ラクになります!
- BILLY's 経理ポイント
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BILLY's 経理では、会社設立1年目で記帳代行をご依頼いただいた場合に、各種ソフトの設定も代行しております。
ただ初期設定を行うわけではなく、事業内容やどう業務と紐づけていきたいかなどをヒアリングした上で、設定作業をフォローさせていただきます。
設立したばかりだと、会計ソフト等何を導入したら良いかわからない部分があるかと思います。導入検討のところからご相談を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください!
まとめ
設立1年目の経理は、あとから困らない仕組みを作ることが重要です!
実際に経理代行のご相談でも、「会計入力に困っています」というご相談より、「そもそも何をしたらよいかわからない」というケースの方が圧倒的に多く見られます。
だからこそ、次の4つだけでも先に決めておくことをおすすめします。
- 請求書管理のルールを作る
- 月に一度は数字を見る習慣を作る
- 税金用のお金を残しておく
- クラウド会計の早めの導入
会社が大きくなってから見直すよりも、設立1年目のうちに土台を作っておく方が、結果的に経理業務も経営判断もスムーズになっていきます。
会社設立初年度にやっておく必要があるものは、上記以外にまだまだ沢山あり、どれも重要です。BILLY's 経理では、設立1年目の会社様向けに無料相談サービスも行っておりますので、「何をどうしたらよいか・・・」と不安がある方は、是非お気軽にお問い合わせください!
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